ランダムサンダーとオービタルサンダーの違いとは？

ランダムサンダーとオービタルサンダーの違いと使い分け方について解説します。

ランダムサンダーとオービタルサンダーの違いとは何なのか？特徴や使い道を元に、使い分け方をご紹介します。

また、この2つ以外にもよく似た工具があるので、どれを使えばいいのか悩んでいるようであれば違いを比較する際の参考にしてください。

ランダムサンダーとオービタルサンダーの違いとは？

電動工具における「サンダー」とは、研磨部分を高速で振動または回転させて、素材の表面を研磨・研削する道具の総称です。この工具にはいくつか種類があり、その中でも特によく使われている「ランダム」と「オービタル」の違いについてまずは簡単に解説しましょう。

ランダムサンダーとは

ランダムとは、両手で掴める円柱のような形をした本体に円形のパッドがついており、そこへヤスリを装着して使う電動工具です。偏心運動と呼ばれるパッドが楕円を描くように動く仕組みに加えて、回転運動も行いながら研磨していくのが特徴です。不規則な動きをすることから「ランダム」という名前がついています。

サンダーにはパッドが回転するものとしないものがありますが、ランダムの場合パッドは回転しません。

オービタルサンダーとは

オービタルとは、オービットサンダーとも呼ばれる、握り部分に四角や三角のパッドを取り付けて使う電動工具です。アイロンのような見た目をしていることから、そういった工具を見かけたらオービタルだと判断していいでしょう。

「Orbital（オービタル）」には環状や軌道という意味があり、サンドペーパーは固定したまま、小刻みに偏心運動をしながら対象物を研磨するのが特徴です。

ランダムサンダーとオービタルサンダーの違い

ランダムサンダーとオービタルサンダーの違いは何なのかについて。ここではそれぞれの工具を使う上でのメリットやデメリットをチェックしておきましょう。

上記でもご紹介した通り、まずは見た目が挙げられます。ランダムサンダーは円形のパッドにヤスリを取り付けて使い、オービタルサンダーは四角や三角のパッドにヤスリを取り付けて使います。

そういったことから、ランダムは平面だけでなく、緩やかな曲面の研磨にも対応できます。強い研磨力があり、オービタルとは違いヤスリの種類も多いことから、幅広く使えるのが特徴です。

ただし円形パッドのため、角や狭い場所の研磨は苦手です。研磨力の強さから、加減を見ながら慎重に削っていかなければ、削りすぎることがある点に注意が必要。

一方でオービタルはパッドに角があることから、広い平面の研磨や面出し向きです。繊細で均一な研磨が得意で、ランダムで削りすぎてしまう場合にも選ばれています。

研磨力は弱い傾向にあるので、大量に削りたい場合や強い研磨力を必要とするものに使うと時間がかかります。

では、どのようなシーンにおいてランダムとオービタルを使い分ければいいのか？次の項目ではこれらどっちを選べばいいのか、違いを元に使い分け方について詳しく解説します。これから工具を購入予定であり、どちらを買うか迷いがあれば参考にしてください。

ランダムサンダーとオービタルサンダーの使い分け方

ランダムサンダーとオービタルサンダーの使い分け方について解説します。

研磨力

ランダムとオービタルを使い分けるにあたって、まず注目したいのが研磨力です。

ランダムは偏心運動に加えて回転運動もプラスされていることから、研磨力が強いです。大きめに削り出したい時、荒削りしたい時、手早く広い面を削りたい場合といった「大まかな削り出し」にはこちらが向いています。

一方でオービタルは研磨力が緩やかです。素材の仕上げや塗装前の平滑化といった「仕上げ作業」に向いています。

そういったこともあり、ある程度の形にまで削る作業にはランダムサンダーが便利ですが、丁寧に磨いて仕上げたい時はオービタルサンダーが必要です。作業内容によっては、いずれも用意して併用しなければならない可能性も出てきます。もちろん、両方使うと綺麗に仕上がります。

用途

ランダムサンダーとオービタルサンダーそれぞれの用途も確認しておきましょう。

ランダムサンダーの用途

ランダムサンダーは、木材などを大きく削り出して目的の形に成形する作業に使うと便利です。円形のパッドということもあり、緩やかな曲面の研磨も比較的得意です。パワフルなため、大きな板材など広い面積を効率よく研磨したい時に活躍するでしょう。

古い塗装剥がしや金属のサビ落とし、金属のバリ取りといった、強力な研磨力が必要な作業にもおすすめです。

また、一部のモデルでは、専用のバフを取り付けることでポリッシャーのように車磨きとして代用できる場合があることも知っておくと活用の幅が広がります。ただし、ランダムサンダーは勢いがあるので車を傷つける恐れがあります。トラブルを避けるためにも、車磨き用として使う場合は扱いに慣れてからにしましょう。

オービタルサンダーの用途

オービタルサンダーは、木材の表面をなめらかに仕上げる際に最適です。研磨ムラが出にくいので、きれいに仕上がります。木材表面に残った細かい毛羽立ちを取り除いたり、塗装を行う前に表面を均一に整えたい時にもあると活躍します。

そのほか、パテで凹みなどを埋めた後処理として、表面をなめらかにするパテ研ぎ目的でもよく使われます。

サンドペーパー

ランダムサンダーとオービタルサンダーはそれぞれにパッドがついており、そこにサンドペーパーを取り付けて使用します。

ランダムはパッドの形状が丸く、専用のサンドペーパーを取り付ける必要があります。サンドペーパーは消耗品ということもあり、専用のものを買い続けるとなればオービタルよりもややコストがかかります。

一方でオービタルは専用サンドペーパーのほかに、市販の紙ヤスリを取り付けて使うことができる場合もあるため、コストが抑えられる可能性があります。

その他ランダムサンダーと似た工具の違いについて

今回はランダムサンダーとオービタルサンダーの違いについて解説しましたが、似た工具は他にもいろいろあります。見た目や機能面に注目しながら、それらの工具との違いや使い分け方についてご紹介しましょう。

ポリッシャー

ランダムサンダーと比較される工具のひとつにポリッシャーと呼ばれる工具があります。これらは研磨力に違いがあり、ランダムに比べるとポリッシャーは研磨力が弱く、主にバフを取り付けることで車のボディ磨きに使われます。

グラインダー

ランダムサンダーとグラインダーは、研磨の方式に違いがあります。ランダムを含むサンダー全般は紙ヤスリを取り付けたパッドを回転させることで使用しますが、グラインダーは砥石（ディスク）を回転させて使用します。グラインダーは金属のバリ取りや石材の切断といった、よりハードな素材に対応できるのが特徴です。

その他オービタルサンダーと似た工具の違いについて

オービタルサンダーと似た工具の違いについてご紹介。

ベルトサンダー

ベルトサンダーとは、帯状のサンドペーパーを回転させることで対象物を研磨する電動工具です。オービタルよりも広い面を効率よく磨いたり、据え置き形で対象物を整える際などに活躍します。研磨力が強いですが、ベルトの目を変えることで仕上げ用としても使えるのが特徴です。

三角サンダー・デルタサンダー

三角サンダーやデルタサンダーと呼ばれるものは、基本的にオービタルと同じ道具を指します。先端が三角形になっており、角や隙間といった細部の研磨や狭いスペースでの作業時に活躍します。アイロンのような見た目をしたオービタルとは正にこのタイプのサンダーのことです。

また、小型モデルのことをミニサンダーと呼ぶことがありますが、こちらは主にオービタルの小型モデルを指す場合がほとんどです。ミニタイプは取り回しの良さがあり、より細かな研磨や隙間作業にあると便利。通常サイズのオービタルと併用するのがおすすめです。

まとめ

今回はランダムサンダーとオービタルサンダーの違いと使い分け方について解説しました。
今後も工具に関するコラムを更新していきますので、楽しみにお待ち下さい！

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