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断水器とは？選び方や使い方について解説します。
断水器とは何なのか、作業内容や製品の選び方、置きコマ式とパイプ圧着式2パターンの使い方についてもまとめて詳しくご紹介します。
水道工事の配管工や設備技術者といったインフラに関わっているプロの方をはじめ、興味があり水道関係についていろいろ知りたい方も、この機会にチェックしておいてください。
断水器とは、水道管の工事や修理を行う際に一時的に水の流れを止めるために使う工具です。
本来、水道の配管は修理時に水が止められるようにといくつかバルブ（止水栓）がついています。水栓や器具の取り替えの際には、そのバルブを閉じることで水を止めることができます。
しかし実際に水道工事に携わっていくと、バルブが壊れていたりバルブを閉めるには広範囲すぎるなど、なんらかの理由で水が止められないシーンも出てきます。不断水工事で給水パイプを切断するようなことがあると、水が吹き出して作業どころではなくなってしまいます。
そんな時バルブの代わりに活躍するのが断水器で、主に水を一時的に止める目的で、水道工事業者や設備技術者といったプロが使用します。
断水器には2つの種類が存在します。それぞれをどのようにして選べばいいのか？ここまでは断水器とは何なのかについてご紹介しましたが、次の項目では選び方について解説します。
断水器の選び方について解説。
断水器は大きく分けて「置きコマ式」と「パイプ圧着式」2種類の方式があります。配管の材質や作業の目的によってどちらを選ぶか見極めましょう。
置きコマ式
置きコマ式は、配管内にコマ（栓）を挿入して、内側で水を止めるタイプの断水器です。断水器とはハンドルを操作することでコマのゴム部を縦方向に圧縮し、外径が膨張して管の内壁に密着させることで止水する仕組みです。
主に金属管や塩ビ管といった、硬い素材の配管に使います。漏水部分のみの掘削で工事ができるので、道路の掘り起こし部分を最少限に留めて作業時間を短縮することができます。
また、断水器と置きコマは別売りになっている場合がほとんどです。置きコマには高圧用か、ステンレス製かといった選択肢があるため、作業内容に応じたものを選んでください。
パイプ圧着式
パイプ圧着式は、外部から配管を圧迫して水を止めるタイプの断水器です。油圧を使う場合がほとんどで、C型やU型クランプのような形状と仕様になっており、配管を変形させることで止水します。
こちらのタイプの断水器を使う場合、変形可能であるかどうかが重要です。ポリエチレン管のような比較的柔らかい素材の配管に使う必要があります。
圧着することで必要部分のみ断水を行えるので、止水栓を探して掘り起こす必要はありません。そのため水道工事を短時間で済ませることができ、工事費の節減にも役立ちます。
製品の「用途」などの項目を見ると、どのような素材の配管に対応しているかの記載があります。この対応素材により、置きコマ式とパイプ圧着式、どちらを選べばいいのか判断がつくので確認してみてください。
配管のサイズを確認しましょう。呼び径にはA呼称とB呼称があります。
置きコマ式は、本体がパイプの呼び径に対応しているかどうかを。パイプ圧着式は、圧着機のサイズが断水するパイプの呼び径に対応しているかどうかをチェックします。
例えば、圧着機の適用呼び径として「13〜30A」と記載されている場合、13〜30Aのパイプ専用であることを示しています。
ネットで断水器の商品を探すと、ノーブランドの製品が複数見つかります。しかし確実に断水させて安全に作業を行うためには、信頼のおける有名なメーカーの製品を選んでおくことに越したことはありません。
断水器の有名なメーカーには、育良精機・板橋機械工業・亀倉精機・大喜工業・土牛産業などが挙げられます。
「置きコマ式」断水器の使い方について解説します。
断水器を購入した際に付属している取扱説明書には必ず一度目を通しておいてください。使い方に関する図が載っていることに加え、リスクを伴う作業を安全に且つ正確に進めるための手順や注意事項が記載されています。
ここでご紹介するのは、あくまでおよその流れについてです。メーカーや製品ごとに少しずつ異なる要素については、取扱説明書で確認することになります。説明書を読んでも疑問が残る場合は、メーカーへ問い合わせましょう。
置きコマを断水器の先端に接続しましょう。断水器と置きコマを一体にした状態でパイプの中に挿入してください。
中軸ハンドルを片方の手で固定します。もう片方の手で外軸ハンドルを回転させると、ナットが締まってゴム部分が膨張し、パイプの内壁に密着します。
置きコマが管内で密着して止水されていることを確認したら、外軸はそのまま、中軸ハンドルだけを時計回りに回転させると取り外せます。これで止水した置きコマだけが管内に残るので、この状態で切断や補修の作業を行いましょう。
最後に置きコマを取り出す際は、軸と置きコマを接続し、外軸ハンドルを反時計回りに回転させることで置きコマのナットを緩めます。するとコマのゴムが収縮して、断水器の軸とともに置きコマがパイプ内から取り出せます。
「パイプ圧着式」断水器の使い方について解説。
パイプ圧着式を購入すると、取扱説明書が付属します。使い方や注意事項を確認するために、必ず一度目を通しておいてください。
ここでご紹介する使い方は、あくまでおよその流れについてです。メーカーや製品ごとに少しずつ要素が異なるため、詳細は必ず取扱説明書で確認しましょう。疑問がある場合は、メーカーへ問い合わせて正しい使い方で作業を進めてください。
断水器の圧着部を管に差し込んで、フレームとダイスの間に管が入るようにセットします。
管を圧着部に対して垂直にしたら、管の中心とシリンダーの中心が一致する位置に合わせてください。止水が不十分になったり、ダイスが戻らない原因とならないよう、中心を外したり斜めに圧着しないようにします。
油圧ポンプのレリーズコックを、時計回りにしっかりと締めましょう。
ハンドルを操作し、油圧をかけてダイスを動かします。パイプを徐々に圧着していき、水が完全に止まった時点で操作を止めてください。
パイプの端や作業箇所から水が漏れていないことを確認し、仮止水完了です。
工事が完了したら、パイプを元の形状に戻す作業を行いましょう。レリーズコックを反時計回りにゆっくりと緩めて、油圧を解除してダイスを元の位置に戻します。
仮止水を解除したパイプの圧着部分に、復元用の工具を取り付けます。圧着した方向と直角の向きで復元を行い、パイプを円形に近い状態に戻してください。
最後に、圧着により強度が低下している部分に、専用の補強材を設置して補強して作業完了です。
断水器とは何なのか、選び方や使い方についても解説しましたが、最後によくある疑問を元に解決策をご紹介します。
断水器とはどこで買えるのかについてですが、プロが使う工具ということもあり、プロ向けの専門工具店や水道や配管資材の専門業者で購入可能です。販売店が見つけられない、決められない場合には、断水器の主要メーカーに直接問い合わせてみるのもいいでしょう。
中古の断水器をネットで購入するという方法もあります。断水器は中古でも数万円することから、少々高価です。オークションなどで個人で販売されているものは、確実に商品が届くかどうか、思い通りの品が届くかどうかという点において保証がありません。
できれば工具の専門的な中古店で商品を購入しておいた方が、万が一何かあった時に相談しやすいでしょう。
自作した断水器を使ってもいいのかどうかについて。プロの現場において自作した工具を使うことは、ものづくり以外では通常ほとんどありません。自作の断水器を使っての作業は大変危険なので、市販されているものを使ってください。
今回は断水器とは？選び方や使い方について解説しました。
今後も工具に関するコラムを更新していきますので、楽しみにお待ち下さい！
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